あいしてるのブログ

この物語はフィクションです

不幸と芸術の相関関係、目隠しと焦燥を超えて

「幸せになればきっときみはつまらなくなるだろう」、一体どれだけの◯◯志望者がこの呪いに苦しめられてきたのだろう? 日曜日、「リメンバー・ミー」という映画を見た。「家族の絆」を描いたアニメーション映画であるが、エンドロールで不覚にも号泣してしま…

雛鳥と親鳥の鎮魂歌

わたしは一匹の雛鳥だった。親鳥から与えられるものを巣の中でただ口を開けて待っているだけの雛鳥。気づかなかっただけで、本当は気づいていたくせに気づかないふりをしていただけで、ずっとそんな風に生きてきたのかもしれない。この文章すらパフォーマン…

男の人は未知の生命体、女の子になるということ

私たちは女の身体を持って生まれてくるけれども成長過程の中で経験を積みながら少しずつ女になってゆく。私のからだとこころの認識は幼いころから女だったけれど、そういう風に周囲に扱われることにはずっと違和感があった。父親はあまりきちんとした大人で…

オールナイツからうまれる普遍的な日常的な刹那的なポエトリー

「誰も知らない」 まだ誰も知らないきみのこと、渋谷スクランブル交差点の横断歩道を渡っている人間はみな目的地を目指すことに夢中で、例えばきみが土砂降りの日に転んで泥まみれになったとしても、例えばきみが真夜中のベッドで一人きり眠れぬ夜を明かした…

喫茶らんぶるで待ち合わせ

奇跡みたいな言葉が、いきなり私めがけて落ちてきた。人間は偶然の集合体で、私ときみとが出会って言葉を交わすのはじゃあ一体何パーセントの確率なのって感じで、しかもこんな風に、心の一番深いところを掴まれるみたいな出会いなんて生まれてはじめてで、…

新宿は今日も雨

始発を待って外に出てみたら、曇り空から滴る涙のような雨が降っていました、酔っ払いが所かしらに寝転んでいる新宿歌舞伎町の風景が普段と少し違って見えました 今日のわたしは完全に気が狂っています 道端の嘔吐物にすら愛しさを覚えたり、きみがカラオケ…

起きてから歯を磨くまでの5分間

何度目かのスヌーズを止めて、布団の中で10秒数える。まだ薄暗く夜の気配がする部屋の中で、ああ、今日もまたぬるい地獄のような1日が始まってしまったと絶望する。 温室から出るとたちまち気持ちが落ち着かなくなり指の先がつめたくなる。つよい風に煽られ…

好きだよって言ってよ

一目惚れみたいな恋だった。まっすぐすぎて不器用なきみに出会った瞬間すぐにわかった、きみのこと絶対好きになるってこと。わたしはあの頃父親のような人ばかり好んで選んでいた。父親のようにわたしを撫でてくれる人、怒って叩いてくれて、分かりやすく支…

だばだばだ

「ぜったいおんなのこ」 何故か嫉妬していました、やっぱり嫉妬してしまいました、わたしはあなたのように歌を歌えないのに、鋭く心を突き刺す言葉も、まっすぐに人間を見つめることも、ひとりぼっちの女の子の手を繋いであげることも、すごく近くにわたしを…

青春が好きだ!

好きな物語のこと。わたしの胸に突き刺さる物語は思い出す度後ろめたくなるような青春を描いた物語で、性液と自意識と惰性にまみれているそれは客観的に見てもちっとも美しくはないのだけれど、物語に描かれる孤独が切実なほど心が揺さぶられてしまうような…

「リバース・エッジ」平坦な戦場できみは生きのびることができるか?

岡崎京子原作「リバース・エッジ」。二度と同じ季節を過ごしたくないあの頃のその瞬間にしか手にすることのできない感覚。自分の身体から少しずつ抜け出てしまった真っ黒な毒のこと。鋭利な刃のような攻撃性、何処にも行けない不安と何処かに行きたい焦燥。…

えーでぃー?えっちでぃー

一週間前からストラテラ服用中。今月病院にいくらかけたよなんて考えるだけで虚しくなりますが私は何とか生き延びています。皆もよく頑張りました生きてるだけで偉いんだよね私たちだからあんまり自分のこと責めないようにしようね。「それらしき傾向がある…

分かったふりなんかしないでね

「つまんないね」 黙ってるだけの女の子、笑ってるだけの女の子、受け身な肉体そのままに他人からの親切を読み取ることすらできない不器用な女の子、わたしはあなたが自分の力でつくりだす新世界を見てみたいのだ、あいしてる停滞を爆発させてよかわいいだけ…

酸欠金曜日のポエトリー

「日常」 いくらコンサータ飲んだって成長なんてひとつもしないまま季節だけがあっけなく過ぎて行くような繰り返しの日々に擦り切れていくのがわかる、どうして好きなことばかりで生きてゆけないのかなわたしたち、120%の力を注いだってふつうになれない絶望…

ウォークインマイクローゼット

洋服って、麻薬だ。ショーウィンドウで運命的な出会いを果たしてしまえばそれが最期、ドーパミンが脳内に大量発生。どんなに高価な洋服だって欲しくてたまらなくなって、そのことしか考えられなくなってしまう。10代からこれまで好きだったブランドは「X-gir…

「ヤサシイワタシ」ヤエちゃんについて思うこと

ヤエちゃんはひぐちアサ「ヤサシイワタシ」という物語に出てくる女の子である。この女の子のことを考えると動悸と吐き気と頭痛の三大コンボに見舞われる。会ったこともないのに、話したこともないのに、というか私と彼女は同じ次元にはいないのに、こんなに…

邦ロックと私青春のエモ

「星」 君は青く光るお星様、冷たすぎて寄る辺もない。驚くほど人に慣れていない君はひょっとしたら私よりも不器用な女の子。だってこの曲が終われば私は君を忘れるけれど、君はきっと私を忘れることができない。全部投げ出して会いに行きたくなるような恋を…

拝啓、ボンタンアメ様

気づけば個人的なことばかり書いている。ある人に「自分のことを書き尽くしたら外の世界に目が向くはずだ」と言われたので、今はこのまま潜ってみようかと思っている。自分の見えない心の底へ、二度と浮かび上がれないくらいに深く。 誰も読んでいないと思う…

ヘラってるのなんて分かってんだよ

きみみたいな人間生きてる価値ないよ。 本当はみんなそう思ってるんでしょう。通勤電車のおじさんの眉間に浮かぶくっきりしたシワ、芸能人の不倫騒動で荒れるツイッターのリプライ欄。みんな全然余裕ないし、身の回りのことで精一杯だからさ、他人の欠点に目…

ジェラシーと呪詛とひとすくいの光

何もかもうまくできる人、というのは一定数、何処にでもいる。そういう人は、勉強も、スポーツも、人間関係も、仕事も、趣味も、やることなすことすべて難なくこなすことができる(ように見える)。何もかもうまくできない人代表の私は、そんな人のことが羨…

光のアイドル

これまで私がアイドルに傾倒した経験は二度ある。一度目は「彼女」。薄氷の上に立っても尚舞台の上で舞い続けるぎりぎりの笑顔に狂わされた。二度目は「彼」。無理が垣間見えるほどの底無しの明るさに暗い幻想を見た。「彼女」も「彼」も、現実と妄想の間に…

はみだせないゆとりのなんちゃって自己分析

毎日、目覚ましをかけて朝に起きて、毎日、肌が触れそうなほど密着度の高い電車に乗り、毎日、8時間近く仕事をして、毎日、どんよりとつかれきった身体で家に帰る。ご飯を食べてお風呂に入ったら、自分が自由に使える時間といったら1日3時間もないだろう…

私たちは決して分かり合うことができない

メンヘラという広範囲にわたるニュアンスの言葉は便利だ。あの子もメンヘラ、この子もメンヘラ。そうやって指差した途端、自分がその人間よりも上位に立つことができる。枠にはめて押し込んで俯瞰して、私たちはわかり合うことを放棄する。ところで私はよく…

帰省

東京から新幹線で5時間、在来線に乗って1時間かけて、田舎に帰る。田舎という場所は合わない人間にとってはとことん息苦しい。少女だった私はいつでも不機嫌そうな顔をして、毎日のようにあの小さな町に対する憎悪を垂れ流していた。自分という生き物の持…

コミュニケーション不全症候群

これはただの自己陶酔の話です。 * いつでもきみに近づきすぎるか離れすぎる、私のコミュニケーションは0か100かしかない。だから私は好きな人に嫌われる天才。 気になる人にほど執拗に迫るし、相手のことを勝手に神様みたいに理想化して、そこからずれ…

A子ちゃんの話

A子ちゃんは私の初めての女の子だった。 初めて好きだと思った女の子で、初めて永遠を誓った女の子で、初めて手放した女の子、それがA子ちゃんだった。きちんとA子ちゃんを愛せなかったせいで、きちんと恋を失うことができなかったせいで、5時間かけて新幹…

さよなら2017、はじめまして2018

さようなら2017年。今年はどんな一年だった? 閉塞と希望の一年だった。 学生という青春が終わり、憂鬱の箱に詰め込まれる社会人になった。私は何もできなかった。信じられないくらい役立たずで覚えが悪かった。私は頭でっかちで根性なしのつまらない人…

文学フリマを振り返って

悔しかった。その一言に尽きるのかもしれない。売れたのはせいぜい25冊前後、それも知人友人を含めた数で。別に売れたいと思って文学フリマに参加した訳ではないと思っていたけれど、モノレールで浜松町に向かう帰路、予想以上に気落ちしている自分がいて…

友だちについて

友だちについて。 中学生のとき、お父さんから手渡されたのは「きみの友だち」という本だった。朝日新聞の書評で取り上げられていたらしい。のめり込むようにその本を読んで、そして憧れた。同時に私は、主人公ふたりの女の子の関係性に、間違いなく嫉妬して…

「銀杏BOYZ 日本の銀杏好きの集まり」感想

今日のために生きてきたと思う。 夢みたいなライブが終わって、突然現実に投げ出されて、他の情報を頭のなかに入れたくなくって、はやる気持ちで夏の蒸し暑い夜を駆けた。 かつて峯田和伸は泣き虫で甘ったれで愛されたがりなわたしの神さまだった。XXXは全員…