あいしてるのブログ

この物語はフィクションです

えーでぃー?えっちでぃー

 

一週間前からストラテラ服用中。今月病院にいくらかけたよなんて考えるだけで虚しくなりますが私は何とか生き延びています。皆もよく頑張りました生きてるだけで偉いんだよね私たちだからあんまり自分のこと責めないようにしようね。「それらしき傾向がある」って言われてそれってどっちみたいな疑問が湧き上がったけれど一先ず安心。よかったやっぱり私の異常は正常だったのだ、何かに押し付けて楽になれるのならそうさせてくれてもいいでしょ。

 

ストラテラは頭のごちゃごちゃを抑えたりできないことを少しやりやすくする為のお薬である。水色と白の二色のカプセルでおしゃれかわいい。つよい薬だからか飲んですぐに効果ありだった。激しい動悸にすっきりする頭、部屋に散らかったゴミをゴミ箱に捨てたり、シンクに溜まった食器を難なく片付けられるようになった。劇的な変化とは言えないけれど、超苦手だった電話応対や順序立てたほうれんそうが少しマシになったりもした。

 

ただ副作用はどんな薬にもあるもので、この薬のスーパーハイパーデメリットは自分が自分じゃなくなった感覚である。この三日間、一度も死にたくならなかった。感情が揺さぶられても数秒後には平熱に戻ってしまう。振り子のように行き来していた感情が死んでいる。ぽんぽんとアイデアが溢れる欠陥商品のような頭がエネルギーを失って、仕事用のロボットみたいな人間に矯正されていくのが分かる。

 

それでいいのかな、みたいな疑問ばかり沸いてくる。薬を飲まないとできない仕事を一生続けていけるのか。薬のちからで何とかなっていることが、果たして自分のちからになるのだろうか、なんてことばかり考える。そもそも薬を飲んで自分を変形させてまで社会に適合する必要があるのかな?世の中に喧嘩売りたい世界変えたいみたいな青臭さ私一生捨てたくないのに。

 

ひっきりなしに浮かんでいた言葉は今や借り物で、揺さぶろうとしなければ感情が働かない。鈍った心で死んでるみたいに生きるのは嫌だ。誰にも愛されなくても、私は足りない私が好きなのだ。つまらないと思うことなんてうまくできなくていい。100人に魅力ある人になんてならなくていい。一つでもいいから自分が誇りを持って没頭できるものに全霊をかけて戦いたい。私の全部あげるから、小説の神様どうか私を愛してください。残された期間はあと5年。なりたい自分になりたいよたったそれだけ。