あいしてるのブログ

この物語はフィクションです

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェラシーと呪詛とひとすくいの光

何もかもうまくできる人、というのは一定数、何処にでもいる。そういう人は、勉強も、スポーツも、人間関係も、仕事も、趣味も、やることなすことすべて難なくこなすことができる(ように見える)。何もかもうまくできない人代表の私は、そんな人のことが羨…

光のアイドル

これまで私がアイドルに傾倒した経験は二度ある。一度目は「彼女」。薄氷の上に立っても尚舞台の上で舞い続けるぎりぎりの笑顔に狂わされた。二度目は「彼」。無理が垣間見えるほどの底無しの明るさに暗い幻想を見た。「彼女」も「彼」も、現実と妄想の間に…

はみだせないゆとりのなんちゃって自己分析

毎日、目覚ましをかけて朝に起きて、毎日、肌が触れそうなほど密着度の高い電車に乗り、毎日、8時間近く仕事をして、毎日、どんよりとつかれきった身体で家に帰る。ご飯を食べてお風呂に入ったら、自分が自由に使える時間といったら1日3時間もないだろう…

私たちは決して分かり合うことができない

メンヘラという広範囲にわたるニュアンスの言葉は便利だ。あの子もメンヘラ、この子もメンヘラ。そうやって指差した途端、自分がその人間よりも上位に立つことができる。枠にはめて押し込んで俯瞰して、私たちはわかり合うことを放棄する。ところで私はよく…

帰省

東京から新幹線で5時間、在来線に乗って1時間かけて、田舎に帰る。田舎という場所は合わない人間にとってはとことん息苦しい。少女だった私はいつでも不機嫌そうな顔をして、毎日のようにあの小さな町に対する憎悪を垂れ流していた。自分という生き物の持…

コミュニケーション不全症候群

これはただの自己陶酔の話です。 * いつでもきみに近づきすぎるか離れすぎる、私のコミュニケーションは0か100かしかない。だから私は好きな人に嫌われる天才。 気になる人にほど執拗に迫るし、相手のことを勝手に神様みたいに理想化して、そこからずれ…

A子ちゃんの話

A子ちゃんは私の初めての女の子だった。 初めて好きだと思った女の子で、初めて永遠を誓った女の子で、初めて手放した女の子、それがA子ちゃんだった。きちんとA子ちゃんを愛せなかったせいで、きちんと恋を失うことができなかったせいで、5時間かけて新幹…